700円のワンプレートランチは高いか安いか

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ども。お元気ですか。
コロナのおかげで、あまり遠出もできなくて、なんとなくもやもやした時間をここ2年ほど過ごしています。当方は少し持病があるため、大阪などにもあまり外出せずに過ごしています。毎月のように上京して飲食関係の見本市やホテルなどを巡っていたのですが、それもできないままで、本当に悶々と下日々です。
ところで、当サイトはシルバーの方が、年金の不足分でも稼ごうかというお手軽な飲食店開業をコンサルすると言うことで、始めた訳ですが、実例をご覧頂くにも検討中の方が、コロナで立ち止まっておられるため、なかなか好ましい実例をご覧頂くことができません。
また、同業者の方でも取材に応じてくださる方は、案外少ないものです。
ご自身の経営や戦略に自信が会っても、ライバルには教えたくないという気持ちが少しはあるようです。
筆者もできれば良い例を皆さんにご覧に入れたいのですが、なかなか素晴らしいと思えるようなお店には巡り会えません。
もちろん高級なお店では、それなりのお支払いさえ覚悟すれば、まあそれなりの食事にありつけますし、それなりの穏やかな時間を過ごせるのですが、まあ喫茶店経営が前提となる情報提供ですから、そんなに立派お店のケーススタディを行っても仕方ありません。
さらに、失敗しているなと思うお店を紹介すると、営業妨害だと訴えられる恐れもあります。そのため、店舗名や所在地なども明らかにはできません。
写真はできる限り、店舗が特定できないようにご覧頂くしかありませんし、難しいところなんです。
しかし、一方で筆者もそういったお店の利用者であり、お金を支払って食っている以上、文句の一つも言わせていただき、併せて自分ならこうするという提案は、しておきたいと思います。ですから、紹介したお店がどこにあるかと言うよりも、ご存じのお店に出会ったら、筆者の評価が適切かどうかをご自身の味覚と観察眼で試していただければと思います。
で、今回のお店のワンプレートランチがこんな感じです。ランチが一番早いというのは、まあどちらのお店でも当たり前になっていますので、当方もウェイトレスのお勧めでもあったのでこれを注文したんです
【お昼のワンプレートランチ】 サブ名称エビフライのタルタルソース添え
価格700円(税込み)税抜き価格640円
中身 冷凍エビフライSサイズ2本 小エビのカクテル2匹 コロッケ×1 ゴボウの和え物野菜サラダ(ミニトマト1/4カット2個+細切りレタス)
ライス+大根漬け物 ドリンクバー付き

いかがでしょうか。食欲をそそりますか。
実際週末だったので、店頭の待合いすは満杯で、ウェイトレスが客席誘導直後に発するのが、「本日のお勧めは、エビフライのタルタルソース添えです」のひとこと。
多くのお客が同じものを注文していましたね。
で、いかがでしょう。
多くの人がわかると思いますが、まず盛り付けが最低と言うこと。
ポテトのように無造作に置かれているのは、実は大根の漬け物なんです。その横に枯れ木のように見えるのは、ゴボウの和え物。続けてコロッケと、小エビのカクテル、次いでエビフライと続くのですけど、
たくあんとゴボウの和え物という和食と、エビフライという洋食が同じプレートで今日されているわけです。さらになんでエビフライと小エビのカクテル?ってところ。
さらには、わざわざ細かくカットしたレタスのサラダって、どうよという感じ。実際に細かく観ると、皿の底の部分にあるレタスは1cm角に細かく刻まれておりました。ミニトマトもカットされていましたが、皮はむかれておりませんでした。
ワンプレートというのは、にをどう盛り付けるかというルールがあるわけでなく、和洋中などが混じってはだめという決まりもありません。
とはいうものの、この中途半端感というか盛り付けのお粗末さ加減というのは、なかなか出会える者ではありません。まず貧弱感が強すぎる。大きい目の皿を使っているために、食品それぞれが少なく見えます。その最たるものがレタスのサラダ。

とまあ書き出せばきりがないのでこの辺で。
このお店は大型商業施設の上部階にあり、同じフロアに飲食関連店舗はありません。また、恒常的に客寄せできる施設が同一会にあるわけでもなく、さらに同施設には、お粗末ながらフードコートもあります。
でも休日には、それなりに来客が多いようです。その理由は、おそらくはわずかばかりの高級感とおしゃれ感。
ファミリーで過ごすフードコートよりは、少しだけの豪華感。
子どの好きそうなパフェ類が何種類かあると言うことだと思います。まあそれと、奈良の田舎には珍しいオープン天井の開放感とか、珍しいという感じはするようです。
しかし、食事は極めて貧弱。コストを試算してみましたが、おそらく150円程度でしょう。個人的にはぼったくり店舗だと思いますが、借り主がどんどん変わる商業施設で、家賃も高いのでしょうね。さらにここ2年ほどのコロナ禍で、経営目標も大幅に修正せざるを得なかったようです。
昨年は休業されていたようでしたけど。
で、今考えるのは、このお店にとって700円の定食は、価格的に観てどうなのかと言うことです。

結論からいえば、経営者にとっても、利用者にとっても決してプラスではない価格だと言うことです。観る気にもならないオープンキッチンに男性スタッフ(おそらくバイトでしょう)が2名。店内スタッフの女性が3名。時給900円として、時間4500円。10時間で45000円ほどの人件費になります。
席数はざっと観て40席前後でしょうか。昼食時間帯の客単価が700*40*4*n(まあこんなことは、滅多にないでしょうけど)この場合のnは、1ヶ月平均の昼食人入店率。おそらく土日は混むけど、平日は3割がいいとこだとみました。で、n=0.4とします。回転率は計算に入れていません。オペレーションが遅くて、とてもランチタイムに何回転もできないでしょうから。
そしてランチタイム以外の回転率は、時間あたり0.3ほどでしょう。
客単価は頑張っても700円でしょう。700*40*7*0.3で、6万弱の売り上げです。そうすると、人件費で売り上げの半分近くを奪われることに也、休業日がなくても月間300万程度の売り上げにしかなりません。
その内130万ほどがバイトの人件費となれば、家賃を支払うと、食材費にかける予算というのは、本当に限られた金額になってしまいます。
このような循環の中で利益を確保しようとすれば、どこかの費用をカットするしか手がないのですが、有名施設だけに家賃の更新は短くても2年に1回程度。バイトの人件費は最賃法があるため、下限は定められています。
水道ガス光熱費は、テナント料に入っているのでしょうから、自分たちの都合で倹約したり照明を調節したりもできません。
結果的にこのような状態の中では、食材のコストをいかに抑えるかというところで、経営者の手腕が評価されてしまいます。
だから結果的に、冷凍エビフライに、貧弱なサラダ、皿に貼り付けたようなライスの盛りになってしまうのです。
そして、目先の利益を確保するためのメニュー案は、結果的にお店を弱らせてしまっています。

経営者がどこの、どんな人だか調べる気にもなりませんが、このお店を繁盛店にするには、食材と仕入れの再チェックをまず行うこと。
メニューの再構成を行うこと、厨房スタッフの再教育を行うこと、目玉メニューを創ることなどで、再生は可能だと思うのですが、皆さんはいかがお考えでしょうか。
奈良市内の方は、このお店、だいたい想像がつくと思います。
このお店に行かれて、違った再生方法を思いつかれた方は、是非ご意見をお聞かせいただければと思います。
一緒に勉強いたしましょう

 

 

 

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