短期間で撤退されたお店の話

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起業するのは簡単ですが、維持し続けるのは大変難しいと思います。計画通りに売り上げが上がるとは限りません。出店前の試算をどれだけ密にやるか、どれだけ費用が発生するかなど、考慮すべき店をおろそかにすると、思わぬ墓穴を掘ってしまいます。今回はそんな話です。

さて、皆様ご無沙汰しています。
お元気ですか。当方はコロナのせいもあり、全然身動きが叶わず、この1年以上をじりじりと過ごしておりました。
会社経営をしていますので、受注などがなくても毎月それなりの経費は発生するわけで、いただけるお仕事は金額の大小を問わず、一所懸命にやっておりました。
おかげさまで、令和2年度の決算は思いがけず黒字になり、数十万円を、税務署や奈良県、奈良市に税金を納めることになりました。
それはそれで、ありがたいのですが、もう少し節税すれば良かったなと、今頃になって反省しています。
営業会館中に月次決算が簡単に行えれば良いのですが、費用の入力が面倒でなかなか思うようには生きません。開業志望のお客様には、費用の入力は毎日やるようにと指導しているのですが、いざ自分のことになると経理担当者に任せっきりで、反省しています。<(_ _)>

 

閑話休題 で、ここからが今回のメインです。
たまたまなのですが昨年の春頃、どうしても実証店舗を開業したくて、最後まで契約を悩んだ賃貸物件がありました。不動産屋と話をしたのですが、折り合いがつかずに悩んでいる内に、他社が契約されたという話を聴きました。
そして、昨年の秋口に開業されたようなのですが、先月たまたま居抜き専門の不動産情報を閲覧していると、見覚えのある外観が。そうなんです。当方が借りようかと悩んでいた物件が、半年ほどで空き物件になっていたのです。
これはさすがにショックでしたね。
お店の食べログ。たった一人の投稿でした。

同じ物件を検討された業者さんと面識は全くありません。またこちらは喫茶店を開業する予定で、収支計算をしていたのですが、入居されたのは、弁当屋さんでした。驚いたことに、この会社同時に2店舗開業されていたのです。
そして、2店目の物件も、実は当社が検討してみた物件だったのです。
でも残念ながら、短期間で撤退された模様です。
そのいきさつは詳しくはわかりませんが、自分なりに分析してみたいと思います。

この店舗は事務所からおよそ300mくらいの距離にあり、長年女性店主が一人で頑張って喫茶店を10年以上経営されていました。小さいながらも固定客も付き、地道な店舗経営をされていたのですが3年ほど前に高齢と病気のせいもあり、お店を廃業されました。
喫茶店の経営としては、大儲けはできなかったのですが、それでも浮き沈みの激しい飲食関係としては、上出来のお店だったと思います。この店舗については、いろいろな思いもあるので、今後たびたび登場することになると思いますが、今回は早期廃業された経緯などを推察します。
奈良市D町にあったこのお店、もとは喫茶店でマンションの一階にあり、駐車場も3台あり、小さめとは言えロケーションとしては、まずまずのものでした。
喫茶店当時のお店外観。
この店舗をお借りになったオーナーが、どのような経歴の持ち主なのかは、全く知りません。
それでもこのお店ともう一店舗この店舗から南におよそ2Kmほど放れた場所に、同時に開業されたようでした。写真の場所はちょうど10坪ほどのこじんまりした店舗だったので、オーナーが一人で切り盛りするには最適のサイズだったのです。
また、居抜きで開業できるような、備品も残っておりました。確かシンクなども残っており、冷蔵庫とガス代を入れれば、即日開業できるようなサイズだったと思います。
それでもなかなか思うように借りてはつかず、1年半ほど空き店舗のママだったともいます。
当方もかなり悩んだのですが、結局あきらめました。
その理由は、端的言うと、「儲からない」と判断したからです。
今となれば、開業しても良かったかなとは思うのですが、当社の場合には趣味ではなくて業務で行うわけです。すでにやっているwebや広報というお仕事でいただける利益を、このお店から得ようとすると、月間粗利益が40万円ほど必要になります。つまり今のお仕事を棒に振ったら、その代わりに別の仕事で収益を得なければならないと言うこと。
この店舗での開業を行うために、メニュー計算も行い、時間あたり客数も渋い目にも緩い目にも計算し、結果的に頑張っても月間粗利益が20万円前後にしかならないと確信したのです。
当初、当社が目指していた、生活費の一部を稼ぐという観点で考えるならば上出来な店舗だったわけですが、老後の経営ではなく、事業として行うには少し店舗が小さすぎるという感じでした。
実際このお店で、昼食時間帯にパートさんを入れてと考えると、下手すると自分自身の利益は月間10万円を割り込んでしまう可能性もあったのです。
奈良市の最低賃金は時給838円。ランチ提供の店舗にすれば客単価は上がりますが、そうすると下準備などで午前から午後1時までパートさんに来て貰うと、一日で4500円ほどかかってしまいます。20日間で90,000円にもなるわけです。
夫婦二人でやるお店で、なおかつ年金暮らしなら、充実した人生という感じだったでしょうね。

ところでこのお店、お弁当屋さんだったのです。しかもワンコイン弁当です。
これがコロナでなければ成功したかも知れません(オーナーはコロナだからこその出店だったとは思いますが)
10坪の店舗を改造し、イートインをなくして店舗全体を厨房にされたようです。

ワンコイン弁当で、なおかつ宅配もします。二店舗で営業中。こちらは製造をお子にますが北之庄に出したお店では弁当販売のみ。
平たく考えれば、オフィス街のパラソル弁当屋さんが、自動車ではなく固定店舗で営業を開始されたような感じだったのです。
いろいろ調べた結果、本業は食材卸と、実店舗(たこ焼きやイカ焼き)をされているお店のようでした。
ではなぜ秋口に開業し、半年あまりで廃業されたのでしょうか。
不思議です。

webや不動産会社の紹介記事などはまだ遺されていますので、それらを見ると配達持ち帰りが事業所向けは10:30~13:30で、家庭向け配達と持ち帰りが16:00~19:00となっています。つまりビジネスオンタイムが、10:30~19:00ということ。このうち配達は3時間×2です。
店舗が二カ所、配達も2カ所からですから、最大厨房+店頭売り+配達員2名で、4人のスタッフが必要になります。昼食や夕食のワンコイン配達ですから、配達員が2店舗を兼務するというのは難しいかも知れません。
家賃が一カ所10万円、もう一カ所は7万円ほどだったと思いますが、スタッフ4名の給与がおそらく70万程度、家賃や光熱費を加算すると、費用はおよそ100万円程度必要になります。
ワンコイン弁当で100万円の粗利を出さなければ、成り立たないビジネスだったのです。
現在店舗の貸し出し情報には、居抜きで弁当屋さん向けと言うことになっていますが、厨房機材が300万円ほどの価格がついています。
さすがに、この値段ではぼったくりで、借りるような人はいないでしょうが、オーナーさんは新品でも中古でもかなり大賀との4ドア冷凍庫と冷蔵庫を購入していたようなのです。
先行投資は「それ」にとどまらず、宅配用のバイクも購入されていました。今は閉鎖された店舗にバイクも遺されています。
店舗のドアには、臨時休業という張り紙が。
結論から言えば、もう気の毒なくらい無茶なビジネス展開であったわけです。そして、この店を小規模の弁当屋にしてしまい、再び喫茶店に戻すことはできなくなりました。(厨房機器を込みでないと、家主さんはもう貸したくはないでしょうから)
そうなると、この店舗はよほど経営に自信のある方が登場しない限り、動くことはありません。
食べログに唯一あった投稿によると午後1時過ぎに入店し、残っている弁当を購入したら、100円値引きしてくれたと記載されていました。
昨年の投稿で、そのような苦しい状況だったのであれば、毎月赤字だったに違いありません。
コンサルも試算も、ナニもないような臭いがあるのですが、できれば登記簿などに載っている、別の店舗で頑張っていただきたいなと思うのみです。
まったく知らない事業者さんですが、悲しいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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