定価100万円のお店は販売しているわけではない

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

中高年の低予算起業、100万webというと、100万円で喫茶店を販売しているように思われがちですが、決してそうではありません。くれぐれも言っておきますが、100万円の喫茶店パックは、販売していません。

例えば、すべての予算を切り詰めて切り詰めてやれば、場合によっては100万円の低予算でも喫茶店が作れますよと言うことであって、100万起業というのはサービスの商標だとお考えください。
従って、100万の起業もあれば、資金を潤沢に持っておられる場合であれば、500万円の起業だってあり得るわけです。
とはいうものの、毎月の利益が5万円~10万未満の喫茶店を経営するのに、数百万円も費やすのはどうなのかなと、当社は考えています。
cafeこのサービスを開始しようと思い立った際に、当社では実際に100万程度の出資で喫茶店を開業しようと思っていたのですから。たまたま、当社の本業(大阪方面の大手企業向け、企業広報のお仕事)が忙しくて、家族に協力を依頼したのですが、人任せにするくらいならやめた方が良いと、説教されてあきらめたという経緯があります。
自宅や事務所の近くで物件が見つからず、自動車で10分ぐらいのところにあったのと、その喫茶店の周辺で新たな事務室が確保できなかったというのが、もう一つの断念理由でした。
当社では、給料と、年金を受領していますから生活には困っていません(財産はありませんが、生活する分には大丈夫です)なおかつ、小さな事業を行っているため、黒字となった際に利益を喫茶店に投資しようと考えたのです。
ですから、極端なはなし事務所で来客にお出しするお茶を、全部で前にすれば、月々の売り上げも、1万円程度はなんとかなるかと思ったのです。
喫茶店はスモールビジネスです。たった1万円の売り上げも、いろいろ考えて積み上げてゆかなければなりません。
私が作ろうとしていた店舗は、月間売り上げが20万円もあれば、最低限赤字にはならないという、小さなお店でした。
このお店で何をしたかったのかというと、私の趣味である収集した戦前のSP盤レコードを、お客様に聴いてもらいたかったのです。
当方には、現在蓄音機が10台ほどあります。レコードも2000枚程度あります。内容は戦前の常磐津、義太夫から民謡、柳家金語楼の落語、初代春団治sの他の落語家や漫才師がたくさん。
歌謡曲では、田端義男、ディックミネ、古賀政男、ミスコロムビアなど、bigbandではグレンミラーなども持っています。
これらを、自由に再生できる場所にしたかった訳なのです。

蓄音機とSP盤レコード

そして、かなり多いのが、戦前のドイツ版によるコンチネンタルタンゴ。ナチス時代ではあり、ナチスの軍歌は国によっては未だに再生禁止となっている国々もあるのですが、タンゴは自由にかけられるのです。
忌まわしいナチスの歴史は知っていますが、コンチネンタルタンゴは今聴いても美しく、日本人になじみのある楽曲が多いのです。
さらにご存じの方も多いと思いますが、奈良にあったテイチク(帝国蓄音機)は、戦前には日本コロムビアやビクターとならぶ、超有名なレコード会社であったこと。
収集した中には、もちろんテイチク盤も数多いのです。
喫茶店でもうけるよりも、好事家が集まってくれたら、珈琲を飲みながら日がな一日SP盤について語り合おうという、趣味が優先した喫茶店を目指していたのです。
こんなお店ですから、外観や内装にお金をかける気持ちはさらさらありませんでした。お客様が椅子に座って、珈琲が飲めればそれで良かったのです。
元々、地域の公民館を借りてでも、ミニコンサートを主宰したいと考えていましたから、月々の施設利用料は、数万円は覚悟していましたね。それだけに、お客様に自慢のSP盤をきいてもらえて、その上わずかでも料金をいただけるなんて、望外の喜びでもあった訳なのです。

こんなお店ですから、100万円の投資を回収するには5年以上かかると計算が出ました。しかし、しかしですよ投資金額が5年で還ってくるということは、他年間ただでレコードながしたり、友人と語り合う場所が確保できると言うことなのです。
さらに、この喫茶店が人に知られるようになると、奈良にそんな有名なレコード会社があったのかと、同じ趣味を持ってくださる方も出てくる屋も知れません。つまり、たかが喫茶店ではあるのですが、地域にSP盤を中心としたサブカルが生まれることにもなるのです。

それは地域にも貢献するでしょうし、奈良に可能で訪れる方々にも、今までの神社仏閣とはひと味違った存在になり得るのではないかと、思った訳なのです。

で、冒頭に戻りますが、100万円の喫茶店というのは、まあ実際に計算してみるとわかるのですが、大変お粗末なものです。装飾もなければ、部屋も古いまま。保健衛生もなんとか許可が下りるぎりぎりですし、什器なども中古ばかりです。椅子や机も、安物の中古品が多くなるでしょう。
じたくの空き室を改造してやろうと言うことになれば、家賃が不要になるので、さらに経営は楽になりますね。

民家や喫茶店跡を借りての起業となると、それはもう、お友達に声をかけるのもはばかられる様なお店になるかも知れません。
でもお店に主張したいテーマがあれば、それでも良いのです。生活費を稼ぐのではなく、ご自身の趣味や経験を活かして、飲食外の事柄を扱いたければ、それでもお客様が来てくれるのです。もちろん広報は必要です。

その部分は、当方が専門ですから、時間があれば、お客様が来なければ、webなどで集客すれば良いのです。いかがですか。生活費を稼ぐためにはならないかも知れないけれど、ご自身の趣味の延長上に喫茶店を位置づけるという生き方。

当社でも、もう少ししたら、廃業して、こちらの方向に向かう予定です。

※100万での起業や開業を、すべての方々におすすめはしませんし、それで成功するかどうかは、個人差があると思います。実際に開業するには100万プラス企業コンサルタント費用が46万円必要です。合計でおよそ150万円必要です。それでも起業してみたいという方は、ご相談ください。うまく条件がそろうまで、しばらくお待ちいただくことになるかも知れませんが、当社でも頑張ってみますので。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る