どっちに転んでも飲食業

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近頃は喫茶店というのが少なくなってきておりまして、まあ地方都市に行くと駅前にさえ喫茶店というようなお店がほとんどございません。
その理由を考えると、いくつもの状況が見えてくるのですが、我々が開業する際に、いったいどんな種類のお店にするのかということは、最初に検討すべき事柄なのですが、少しだけ面倒なことがあるのです。
それはどのような形態であれ、食に関わるお仕事はほぼすべてで所轄保健所への届け出が必要であるということ。
届け出で自動的に受理されるかというと、実際に現場を検査されてからでないと、許可されないと言うこと。
申請から立ち会い検査まで、少し時間を要することがある。などの制限があります。それ以外にも注意すべき事柄として、
1.必ず営業許可が必要。
2.途中で安易に業態を変えられない。
3.厨房のレイアウトや設備などをあんいに変更できない。
4.サービスやメニューによっては、部屋のレイアウトで許可されないことがある。
5.過去の前歴で許可されないことがある。

などがあげられます。おおざっぱに言うと、そんなことがポイントになります。では喫茶店を開業したいという希望の場合、どのような条件があり、なおかつできることとできないことはどのような物があるのでしょう。実際の事業開始に先立って、申請の必要な事業は以下のようなものですが、

○ 飲食店営業
○ 喫茶店営業
○ 菓子製造業(パン製造業を含む)○ あん類製造業 ○ アイスクリーム類製造業 ○ 乳処理業 ○ 特別牛乳さく取処理業 ○ 乳製品製造業 ○ 食品の冷凍又は冷蔵業 ○ 食品の放射線照射業 ○ 清涼飲料水製造業 ○ 乳酸菌飲料製造業 ○ 氷雪製造業 ○ 氷雪販売業 ○ 食用油脂製造業 ○ マーガリン又はショートニング製造業 ○ みそ製造業 ○ 集乳業 ○ 乳類販売業 ○ 食肉処理業 ○ 食肉販売業 ○ 食肉製品製造業 ○ 魚介類販売業 ○ 魚介類せり売営業 ○ 魚肉ねり製品製造業 ○ 醤油製造業
あんまり多いので以下は省略します。
このそれぞれに申請書類の様式や、添付図面、実際の必要設備、作業場面積、使用機器などによる規制などが定められています。
で、業種の一番上にある飲食店も喫茶店も似通っているのですが、実はこれまた大きく異なるのです。
で、今回おすすめするのは、飲食店の申請を行っていただきたいと考えています。
喫茶店やりたいのに、なんで飲食店?飲食店と喫茶店と何が違うの?などとおわかりになりにくいと思います。
で、一番のポイントは、喫茶店の方が飲食店よりも規制が緩い反面、できないこともあるということなのです。
規制の緩い部分というのは、たとえばシンクが一槽(つまり家庭の流し台のように、食器などを洗うおけが一つ)でもかまわない。ガス給湯設備がない場合でも申請は可能なのです。逆に言えば、シンクが一槽しかおけないような狭い厨房であれば、喫茶店はできるけれど、飲食店はできないということになります。また、ポットなどでお湯を沸かせても、給湯設備がなければ、それは飲食店ではないと言うことなのです。
※※ところが、前回の訪問で詳しくは聞いていなかったのですが、奈良県の開業申請は、他府県とは少し違うのだということがわかりました。※※

奈良県でに喫茶店開業は、ちょっと他府県に比べると厳しいかなという感じですが、
奈良県の場合、喫茶店でも飲食店の開業申請と同様の条件が求められるのです。

それって、どういうこと?
つまり、店舗の厨房設備に関しては、飲食店も喫茶店も同一基準が求められると言うことなのです。

もっと平たく言うと、最低限の開業に必要な設備やルールについては、本来は緩やかなはずの喫茶店も、寿司屋やレストラン、中華料理店などと同一の衛生基準が求められると言うことなのです。
これが主な施設基準
いかがですか。上記は奈良県の保健所が公開している条例のいわゆる要約でして、詳しくはこちらに記載されています。
他府県と違うところは、全国の都道府県では、喫茶店はシンクが一つで給湯設備がない場合でも喫茶店開業申請が許可されるのですが、奈良は一般の飲食店を同一の基準として、シンクは2槽必要で、なおかつ、給湯器も必要だということが定められているのです。なぜ他府県と異なるのかと言えば、食品衛生に関する法律はあるのですが、大まかなことしか決めていなくて、細部に関しては各地方都道府県施行する条例で定められていると言うことなのです。
また、おおよそのことしか相談窓口でいただける用紙には書かれていなくて、要は、保健所の相談カウンターで聞いてほしいというスタンスなのです。

正直驚きました。行政なんで、割と鼓膜定められているのかと思いきや、書き物にして配れる物がないのです。また、もっと驚くことが。
奈良市だけ、保健所の管轄が異なるのですよ。これも何だかなあとは感じるのですが、奈良市は中核市に当たるため、保健所の業務を奈良市が行っているというのです。この中核市は全国にあるので、他府県の方でも注意が必要です。
つまり厳密に言えば、申請書類の書き方の中にも、場合によれば微妙なローカルルールが存在するかも知れないのです。
実際にこの文章を書くため、奈良市の保健所と、大和郡山保健所に連日取材しましたが、申請のガイドペーパーは微妙に異なりました。気持ち悪いですね。
で、実際に聞いてみましたが、個人で申請に来られても、開業を断念する方もいるそうです。

特に脱サラとかで、全く何も知らない方でそうなるかたがいるともお聞きしました。
なんだか面倒だし、当方も少し嫌な気分になりましたが、結論的に言えば事前打ち合わせをじっくり行い、相手の不安を払拭する方法をこちらが準備しておくことである程度乗り越えられると感じました。実際に開業されたい方にはお知らせしますし、もしも面倒だとかお金がかかっても良いという方には、完全代行してくれる行政書士などを紹介いたしますが。それら費用や一覧などは今後とりまとめて紹介いたしますので、今しばらくお待ちください。

◆閑話休題◆

では、飲食店にできて喫茶店にできないことは何でしょう。
1.深夜営業ができない
2.アルコール類の提供ができない
3.調理した物を提供できない

ということなんです。特に問題が発生するのは、3ですよね。喫茶店で申請してだめな場合を考えてみましょう。
たとえば、客単価を上げるためにお昼にはランチを提供したい=×
お客さんの貸し切りで夜更けまで営業した=×
モーニングにトーストを提供したい=▲×(地域によって異なりますが、OKの場合もあります。しかしサラダを付ければ厳密にはアウトです)
かき氷を提供したい=○(火を使っていないから)
午後5時以降、乾き物とビールを提供したい=×
このような内容は、すべてだめなのです。で、なぜ給湯装置のあるなしが、許可申請の際にポイントになるのかというのがよくわからないのですが。
従って、奈良県内で喫茶店を起業しようとすれば、一般の飲食店と同一施設基準が必要になるので、これらの制限は自動的にクリアされるのです。
なんか変なの。
で、ではpdfに書かれている各種条件を今後はもう少し詳しく研究してゆきましょう。

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