地元をより理解するために

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最初はショックだったですね。自分の故郷に漠然とした誇りを持っていたのが、単なる印象みたいな、薄弱なものだったということが。
確かに、ここのところ奈良公園を歩いても修学旅行のバスの車列などには出会わないし、飛火野でお弁当を広げている小中学生の団体などというのも地元の児童以外はさほど見なくなっていますし。
ここでお話しておきたいのはたいしたことではなく、観光客に愛されている奈良ではなくなっていたという、私自身が感じていた国内有数の観光地という誇りが、崩れてしまったということだけなのです。

で、その理由をいろいろ調べてみました。ネットでも経産省、農水省、国土交通省などを閲覧し、国会図書館にも出向き、いろいろ調べ物をしたのですが、なぜ奈良が凋落したのかということを具体的に教えてくれる情報はなかったのです。
詳しくは書きませんが、観光客の好みが変わったとか、交通網の整備状況の変化とか、他の観光地の努力とか、色々な原因があるというのはわかったのです。
でも結局は、これが原因だという決定的な課題があるわけではなく、様々な条件が、他の近隣観光地に比較すると劣っており、それらが絡まり合って、奈良を衰退させて言ったということなのですね。

以前取材した何方かが、「奈良には天平から今日に至る歴史がない」とおっしゃっていました。
つまり天平や飛鳥は時代の主人公だったけれど、その後1300年ほど、日本の表舞台から姿を消したという意味だと思うのですが、たしかに東大寺、唐招提寺、法隆寺、興福寺、春日大社とかいっても、大昔のものなのです。京都は奈良よりも100年ほど後から栄えた都のなのですが、今でも多くの観光客を引きつける魅力がありますよね。
そして大学も多いし、若者も多い。
遷都による都の成立は似通っていたはずなのに、大きな違いが出来ているわけです。

正直、この時点でも奈良を改善するなどという気持ちは、さほど強くなかったのです。(そんなだいそれたことができるなんて、今でも思っていません)ただ、その消えてしまいそうな観光立地自体も、他府県の企業によって利益が持って行かれていくという現状に対する不甲斐なさに怒り狂っていただけなのです。
それでとりあえず、地元では奈良県についてどのような分析を行っているのかということを学ぼうと、県庁の統計関係部署に出向き、解説本を購入しました。

デザイン的にこぎれいな奈良県の姿も、薄緑の奈良県勢も毎年年末近くに発行されています。白い方の本は県庁の統計局や可買う市町村役所に出向けば、在庫があれば無料でもらえます。
奈良県勢は、統計値だけの本で県庁統計課で、販売しています。
また、奈良県のすがたは、奈良県のホームページででも閲覧は可能ですから、一度目を通してみてください。
単純に我がふるさとと思って感じていた奈良が、実はそれこそ大変な状況にあると言うことがわかる、素晴らしい冊子です。
でも、その危機的状況については、さほど県民に伝わっていないのも事実な訳で、これから起業しようとする方には是非ご一読いただきたい内容です。
当方が提案する内容も、これらの冊子に掲載されているデータなどを参考にしている部分も多いのです。

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